葡萄の収穫に続き、プロヴァンスではオリーブが収穫されました!
プロヴァンス料理に必須の、オリーブ・オイル。
実も木も大好きなプロヴァンスの人とオリーブについて、お話します。
小豆島
日本では特に瀬戸内海・小豆島で作られているオリーブ・オイル。
プロヴァンスをご案内する私・葉子が生まれ育ったのは香川県で、小さな頃から小豆島のオリーブに親しみを抱いていました。
ただ、そもそもオリーブは温暖な地中海沿岸に自生する樹木。
地中海と瀬戸内海の気候が似ていたことから、20世紀初めに小豆島に植えられることになったそうです。
プロヴァンスのオリーブ
さてプロヴァンスでは、特にその美しい樹形、緑と銀の葉色、そして実が愛され、少しでも空いた土地があれば皆、オリーブを植えたがります。
引っ越す時は、家具と共に庭のオリーブの木も持っていく人がいるほどです。
この写真は、ポン・デュ・ガールのすぐ脇に移植されたオリーブ。
長い年月を感じる、堂々とした幹が力強いです。
オリーブは寿命が長いことでも有名で、上のポン・デュ・ガールのオリーブは、1000年以上生きています。
立派!
産地:レ・ボー・ド・プロヴァンス
プロヴァンスでオリーブの産地として有名なのは、レ・ボー・ド・プロヴァンス。
白い岩山の手前に延々と広がるオリーブ畑は、伸びやかでとても綺麗!
ヨーロッパの人が「プロヴァンス」と聞いてまずイメージする景色、ぜひ一度ご覧いただきたい風景です。
慎ましい花
オリーブの花と聞いてすぐ目に浮かぶ方は、珍しいと思います。
それもそのはず、かなり小さくて目立ちません。
6月、周囲はラベンダーの茎が伸び注目を集める頃、オリーブはひっそり花を咲かせます。
よく見ないと、花が咲いてるとは気づきません。
でも、近寄ってみると、こんなにカワイイ。
小さな白い花がいっぱい!
実ができた
この花が結実し、実ができるのが秋。
初めは緑色のふっくらした実。
これが1か月経つと紫色へ、そしてさらに黒色へと変わっていきます。
オリーブの実に「緑」と「黒」があるのはご存知だと思います。
これは種類が違うからではありません。実が緑から黒へ色を変えながら熟していくのです。
緑オリーブから作られたオイルは、フレッシュで苦味を含みます。
黒オリーブのオイルは、まろやかさがあります。
収穫の季節!
葡萄の収穫が終わった後、10〜11月にオリーブを収穫します。
プロヴァンスの各村に、収穫した実からオリーブ・オイルを作る場所があり、ここはムーラン・ア・オリーブmoulin à oliveと呼ばれます。
ムーランとは、重い平丸石を(昔は水車・風車などの力で)回して実を潰し、粉にする機械のこと。
ここに、村の人が収穫した実を持ち寄り、届けたオリーブ収穫量に応じ、できたオイルを受け取るしくみです。
食材
レ・ボー・ド・プロヴァンスのオリーブオイル製油所カストラスCastelasのオリーブ・オイル。
ここはオリーブ畑の真ん中にあり、製造工程を見学することもできます。
オリーブ・オイルの他にも塩漬け、タプナードとして保存され、1年中アペリティフとして食べられます。
プロヴァンスにいらっしゃったら、オリーブオイルと一緒にぜひ買って召し上がってくださいね。
Yoko TSUCHIKUSA(写真・文)